山形県上山市かみのやま温泉に位置する既存の温泉旅館は、昭和6年創業以来、数回にわたる増改築を重ねてきた和風建築である。改修にあたっては、“雁行型の廊下とそこに面する室”という既存の平面構成を活かし、各ゾーンに「参」「蒼」「来」という新たなテーマに基づくデザインを展開。それらが全体として「自然旅館」という体験ストーリーに結実することを試みた。
「自然旅館」はソフト面とハード面に大別される。
ソフト面においては、裏の田畑のとれたての”里の幸”から成る現代山形 KYODO 料理の提供や、それら作物を来客者自ら育てる農体験の企画が挙げられる。
一方のハード面においては、「土と草木」をテーマに、既存の木架構や聚楽壁、欄間、竹製照明等の一部を再生することによって、自然素材の持つ“記憶”を目に見えるかたちとして再発見できるよう配慮した。また、藁スサの入った左官仕上げや和紙調クロス、麻の葉の透かし模様の入った風合いのタイルといった、伝統的な木空間に調和しながらも新たな息吹をもたらす新素材を導入し、作りこまれた“モダン和風”を越えた、新旧の偶発的なぶつかり合いが非日常感を創出することを目指した。
カテゴリ | ホテル・旅館 |
構造 | 木構造・木質構造 |
種別 | -- |
設計料金 | --円 |
所在地 | -- |
建築面積 | --平方メートル |
竣工 | --年--月 |
施工会社 | -- |
一級建築士事務所 club Mai architects |
東京都江東区海辺18-8 |
080-300-16403 |